地域経済のあしたの育み方: 個性を見出すILO産業分析の旅

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7年ぶりに新著「地域経済のあしたの育み方」を上梓することができました。長い間、お待たせしましたが、これほど楽しみながら、また悦にいりながら執筆したことは初めてです。

2015年の地方版総合戦略策定に係わって以来、10年にわたり道内20を超す市町村を対象に地域経済分析をしてきた集大成になります。この間、北洋銀行の方々が地元自治体と交渉され税務統計を取得し、私がILO産業分析と称して分析を行う、共同作業が続きました。

本書のユニークな視点は、ILO産業分析という方法論を開発し、共通の枠組みで各自治体を論じていることです。すなわち、地元の住民や企業を顧客とするために地元の人口減少の直撃を受けるLocal型産業、地元の人口減少の影響を受けず、域外から当該地域に訪ねてきて消費してくれるInbound型産業、当該地域で生産したものを域外へ販売していくOutbound型産業に分けたことです。これによって、人口動態と地域経済の関係を定量的な分析に落とし、同じ土俵で数値を用いて議論できるようになりました。その過程は、ひとつひとつの自治体の個性をデータから探索する旅でもありました。

また、書として仕上げるにあたり、装丁を山之口正和氏にお願いし、イラストレーターの勝部ともみ氏のイラストが華やかに踊り、北海道各地の個性が表現されたものになったことも、お気に入りです。白を基調としたソフトカバーの本は、まるでSnow Bookともいうべきいで立ちになりました。ぜひ、ご高覧いただければと存じます。

生成AIの時代にあって、書籍に著された知見は一瞬にして社会全体の共有財産になるようになりました。それでもオリジナルの視点、オリジナルのデータに基づく限り、生成AIには書くことができないものです。本書はそうした創り方をしており、気づいてみれば数学の世界に舞い戻ったような既視感の中に私はおります。なぜなら、生成AIの時代になる前から、数学の世界は誰も気づかなかったユニークな発想によって難問が証明されるのですが、数学の証明は著作権保護の対象ではありません。そのため、一瞬にして人類の叡智になり、世界の発展に貢献してきました。本書が、ほんのちょっとでも人口減少に苦しむ地域経済に貢献できればと切に願う次第です。

 大庫直樹

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