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お待たせいたしました。8年ぶりの銀行関連の新著です。
私にとって単著のはじまりは2004年に上梓した『「新」銀行論』になります。はじめての単著から22年目経ち、新たな『「新」銀行論』として『シン・ギンコウロン』を上梓することになりました。60代半ばに差し掛かった私にとって、経営コンサルタントとしての集大成の書でもあります。また、昨年5月に上梓した『地域経済のあしたの育み方』と合わせて『人口動態と経済』シリーズとなります。
本書は520ページにおよぶ大作になってしまいました。企画したのは2022年のことですが、第Ⅰ部で展開する、人口動態が銀行業に及ぼす影響についての統計モデルづくりは2021年から作業をはじめ、足掛け5年の時間を要しました。それでも銀行界のさまざまな思い込みを正す分析結果をお知らせできることに、苦労の甲斐を感じています。第Ⅱ部はリアルな接点抜きには成功しないデジタルの世界を描き、第Ⅲ部では新たな銀行業態がポイント主権を武器にレガシーバンクに立ち向かい、劣勢に追い込まれたレガシーバンク自体が事業モデルのリデザインをしなければならない局面を迎えていることを伝えています。第Ⅳ部は新しい銀行モデルの礎としてのデータサイエンスを語りながら、実は銀行組織の本質的な課題、同質的な企業カルチャーからの転換を促しています。「おわりに」は名もなき中小企業家の独白として、事業者から銀行がどのように見えるのか、分析ではなく自身の体験から率直なところを書かせていただきました。
もはや思い残すことがないと言い切れるくらい、経営コンサルタントになって40年の思いを記しています。銀行経営に携わる方々にとってお役に立てれば、至福の極みです。ご高覧いただければと存じます。
大庫直樹



